【2022年最新】管理栄養士推薦|透析治療中の患者さんの貧血予防

貧血予防には、まずは普段の食生活を見直しましょう!

腎臓の機能が低下すると、赤血球をつくることを促す働きを持つ「エリスロポエチン」というホルモンの分泌量が低下します。このホルモンが減少することで起こるのが、腎性貧血です。貧血になると疲れやすく、低栄養の原因にもなるので食事内容を見直して予防を行っていきましょう。

腎性貧血を予防する食生活

食事量の不足や鉄分、ビタミンなどの不足による栄養の偏りがあると、鉄剤の投与中であってもよい効果がでません。食事療法のみで貧血を改善することは難しいのですが、適切な蛋白質の摂取や、適度な鉄分が含まれた食事をすることで、予防することができます。エリスロポエチンの働きを効果的にするためも、栄養バランスのとれた食事が大切です。日頃から、カリウム・リンに気をつけながら栄養素をとるように、心がけていきましょう。

鉄を上手にとる貧血予防のポイント

ポイント① エネルギー摂取量を増やしましょう。
エネルギーが不足すると、せっかく摂取した蛋白質がエネルギー源に利用されてしまいます。まずは、主食(ご飯、パン など)量を見直し、少ないようでしたら増やしてみましょう。

ポイント② 良質蛋白質を十分にとりましょう。
蛋白質は、赤血球やヘモグロビンの材料となる大切な栄養素です。また、動物性の蛋白質の食品に含まれている鉄分は吸収されやすいので、不足のないよう適切に摂取しましょう。

ポイント③ 鉄分を多く含む食品をとりましょう。
食品中には、吸収の良い鉄(ヘム鉄)を含む食品と、吸収されにくい鉄(非ヘム鉄)を含む食品があります。植物性食品よりも動物性食品のほうが、鉄の吸収率は高いです。又、ビタミンCと一緒にとることで、鉄の吸収がよくなります。

ヘム鉄 非ヘム鉄
動物性食品の肉や魚の赤身、貝類 植物性食品の大豆、野菜、海藻など
赤身肉、かつお・まぐろ、牡蠣・あさり・しじみ 大豆製品、ほうれん草・小松菜、ひじき

鉄分が多い食品
※食事での1日の摂取の目安量を守り、摂り過ぎには気を付けましょう。

1食分 鉄(mg) カリウム(mg) リン(mg)
豚レバー 40g 5.2 116 136
あさり(水煮) 30g 9.0 3 78
しじみ(水煮) 30g 4.5 20 60
凍り豆腐(乾) 10g 0.8 3 82
ひじき(乾) 2g 1.1 128 2
小松菜(ゆで) 50g 1.1 70 23