【プレスリリース】新型コロナワクチン3回目接種により 血液透析患者の免疫応答が改善することを発見 ~2回目接種で低反応の人ほど有効~

概要

2回目の横浜市立大学と厚済会の共同研究では、新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社)3回目接種後に獲得される抗スパイクタンパク抗体価について、高リスクの血液透析患者群と健常人(医療スタッフ群)で比較しました。ワクチン3回目接種1か月後の抗スパイクタンパク抗体価が、2回目接種後に比べて大幅に上昇し、健常人(医療スタッフ群)と同レベルまで上昇したことを認めました。

また、血液透析群、医療スタッフ群の両群において、2回目のワクチン接種で十分な抗体を獲得できなかった人(無反応/低反応群)の約9割が、3回目接種後に有意に抗体価が上昇したことを認め、さらに、2回目接種で無反応や低反応であった人の方が、(2回目接種で)高反応であった人に比べて、3回目接種による抗体価の上昇比が高いことも明らかしました。本研究により、新型コロナmRNAワクチンを2回受けても十分な液性免疫を獲得できなかった血液透析患者でも、3回目の追加接種を受けることで、健康な人と変わらない程度の抗体価を獲得できることが明らかになりました。

本研究成果は、国際腎臓学会誌(Kidney International Reports)に掲載されました。

研究成果のポイント

高リスクの血液透析患者における3回目ワクチン接種の意義
●血液透析患者は新型コロナワクチン2回目接種後の抗体価は健常人の約 1/3 と低い
●新型コロナワクチン3回目接種にて血液透析患者は健康人と同等の抗体価を獲得
●2回目接種で無反応/低反応な人ほど、3回目接種後の抗体価上昇比が大きい
●2回目接種で無反応/低反応な人の約90%が、3回目接種後に反応性が向上