【プレスリリース】新型コロナワクチン3回目接種により 血液透析患者の免疫応答が改善することを発見 ~2回目接種で低反応の人ほど有効~

今後の展開

血液透析患者は健康な人に比べて、ワクチンに対する免疫応答が悪く、獲得できる抗体価が低いと考えられていました。しかしながら、本研究の結果では、血液透析患者でも新型コロナmRNAワクチンを3回接種することで、健常人と同レベルまで抗体価を上昇させられることが明らかになりました。ただし、ワクチンの適切な接種間隔や他のワクチンでも同様な反応が得られるかなどは不明です。また、本研究では2回目の接種で高反応を示した群は3回目接種で抗体価の上昇比が最小であり、「ワクチンに対する免疫応答の天井 」の存在が示唆されました。

海外の報告では、4回目の新型コロナmRNAワクチン接種を受けた健康な人の抗体価は3回目接種後と比べて軽度の上昇に留まりました。 2022年8月時点では4回目ワクチン接種後の日本人における抗体価の推移に関する報告は公表されておらず、血液透析患者においてもどのような傾向があるのかは不明です。

今後、さらなる研究によって、血液透析患者において新型コロナワクチン接種による免疫獲得についての知見が深まり、ワクチンを接種すべき回数、接種の間隔や時期などに関して、より適切なプロトコールの作成や施策へ反映されることが期待されます。

※参考記事
【プレスリリース】日本人の血液透析患者では新型コロナワクチン接種後の 抗体価上昇が抑制 ―ピーク抗体価の上昇に寄与する因子は栄養状態と貧血の改善、ビタミンDの補充―
【コロナワクチン抗体価の比較】透析治療中の患者さんと健常職員の比較