臨床工学技士が解説|オンラインHDFと通常血液透析の違い

オンラインHDFを行う理由


これは、主にどういう目的でオンラインHDFをやっているかをグラフにしたものです。
赤い棒グラフが前希釈オンラインHDF、青い棒グラフが後希釈オンラインHDFです。厚済会は前希釈オンラインHDFを行っていますので、赤い棒グラフでみると、施行理由は圧倒的に合併症予防になっています。次に多い目的は、透析低血圧症、透析アミロイド症となっています。こうしてみると今現在の症状改善よりも、将来の予防を重視してオンラインHDFが行われていることがわかります。

オンラインHDFのデメリット

オンラインHDFは、メリットだけでなく、デメリットもあります。
上図のように、動脈チャンバーへ補充液が1分間に200ml入ります。血流を200mlとっていたとしても、血液が補充液で2倍に希釈されることになります。拡散は、濃度の高い方から低い方へ移動しますので、希釈され薄まった血液の「小分子物質の除去」が悪くなってしまいます。

次にアルブミンも一緒に除去されてしまうデメリットですが、患者さんの状態により、使い分けることが重要です。栄養状態が悪い方にはあまり除去しない条件で行い、栄養状態がよく、愁訴改善したい方は、アルブミンも除去される条件で行うなど、使い分けが必要です。様々な治療条件の組み合わせで調節を行います。

透析液が体内に入るリスクにつきましては、水質の点検や装置の点検をしており、問題ありません。
オンラインHDFに使用するダイアライザーを「ヘモダイアフィルター」といいますが、透析に使用するダイアライザーに比べると、まだまだ種類が少ない状態です。

オンラインHDFのまとめ

• オンラインHDFは、中分子~大分子物質であるβ2~α1ミクログロブリンの除去に効果的です。β2-ミクログロブリンは、透析アミロイド症の原因物質といわれ、α1-ミクログロブリン近似領域の物質は、痒みやイライラの原因物質であるといわれています。
• アルブミンなど、蛋白も除去されるリスクはありますが、食事からしっかり摂取出来る方は、積極的に大分子物質を除去することで、合併症予防や愁訴改善が期待できます。
• アルブミンを除去したくない方には、補液量などの治療条件を変えることで、除去を抑えた治療が出来ます。

厚済会では、全ての施設でオンラインHDFを導入しています。ご興味のある方は、主治医またはスタッフまでお尋ねください。

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