【フットケア指導士より】透析中の患者さんのフットケアについて

チェックしているポイント

皮膚の色、乾燥、冷感、傷の状態、動脈の触れ方(足背と後脛骨動脈=足首の所)、爪の状態(長さ・色・厚さ・巻き爪・爪白癬の有無)、白癬(水虫)の有無や過去にそれがあったか、しびれや痛み、触っている感触の左右差などをチェックしています。しびれがある場合、程度や場所、範囲を確認します。しびれが強い・感触が鈍い等の症状があると、怪我をしてもわからなくなるので注意が必要です。乾燥があれば、ハンドクリームや乳液などで保湿します。自分で足の裏を「見られるか・触れるか」、「自宅で素足か・靴下を履いているか」なども質問しています。現在は、新型コロナウイルス感染対策により、私服での透析治療を行っているため、普段患者さんが履いている靴も一緒に観察しています。

起こりえる足病変

最も多いのは、足の動脈硬化である「閉塞性動脈硬化症」です。それ以外にも、深爪から怪我をして炎症を起こしたり、水虫から細菌感染したり、治療を要することもあります。いずれも最悪の場合は足を切断しなければならないので、足に関しては些細な傷や変化に注意が必要です。

今後取り組みたいこと

日頃から患者さんとのコミュニケーションを大事にし、足に関しての相談がしやすい雰囲気を作れるようにしたいです。また、フットケアの始まりは、私たち医療従事者が「たかが足」と思わず、よく診て触ることなので、小さな足の傷や皮膚の変化を見つけたり、患者さんから相談を受けて早期に発見する事が、少しでも長く「足を守る事」につながると考えています。足について困ったことがありましたら、迷わずスタッフにご相談ください。また、皆さんも、ご自分で足を診たり触ったりと、「自分の足」に興味を持って頂けると幸いです。

※関連記事
【管理栄養士監修】透析治療中の患者さん 災害時の食事のポイント
【管理栄養士直伝】免疫力アップ6つのポイント|コロナ対策|