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コラム_透析中の食事

透析中の食事療法のポイント

透析治療が始まったら、同時に患者様の体調に合わせた食事療法を行っていきます。透析治療中の食事療法のポイントは、水分や塩分、カリウム・リンを制限し、適切なエネルギーやたんぱく質をバランス良く摂取することです。以下で詳しくみていきましょう。

食事療法のポイントについてもっと詳しくみてみましょう。

水分・塩分の制限

腎不全になると尿が出なくなり、体の中に水分が溜まります。水分をとりすぎると、むくみ・体重増加・呼吸困難・血圧上昇などの症状があらわれ、高血圧・心不全・肺水腫などの原因になります。

また、塩分をとりすぎるとのどが渇き、水を飲んでしまうためにむくみが大変ひどくなります。塩分の制限が水分の制限につながります。患者様ごとに決められた1日の塩分量を守り、調味料や食品の塩分量を覚えて無理のない減塩食を心がけましょう。

水分制限のポイント
食事の工夫

食事で摂取する水分は、1日1000cc程度が目安です。以下に気を付けましょう。

  • 水分の多い料理(鍋物、汁物、麺など)を控えめにする
  • 調理方法を工夫する(焼き物、揚げ物、炒め物をとり入れる)
  • 主食も一食はパンかおもちにする
飲み水の工夫

飲み水は通常摂取する水やお茶以外に、うがいの水も含みます。飲み水の摂取を減らすための工夫は以下です。

  • 氷をなめる
  • お茶を熱くして少量にする
  • 湯飲み茶わん、コップを小さくする
乾物の水分に注意

わかめ、ひじき、麺類などの乾物はもどして使用しますが、膨らんだ分は水分です。もどしたものを量り、その8~9割が水分と考えてください。

水分とみなされるもの

醤油や酒、みりん、酢、ソース、ケチャップなどの調味料、こんにゃく、ところてん、寒天、ゼリーなども水分とみなされます。とりすぎないようにしましょう。

減塩のポイント
味にメリハリを付ける

1~2品に塩分を多く使い、ほかの品を薄味に味付けするとメリハリが付いて食べやすくなります。塩分がないとおいしくない料理に集中して使いましょう。

しょうゆや塩などの調味料について

塩分の入っている調味料は計量スプーンの大さじ・小さじを使って量る習慣を付けましょう。また、香味野菜や香辛料など香りの強いもの、出汁などうまみのあるものを使うと、塩分が少なくてもおいしく感じます。

  • 香味野菜を利用する(ねぎやしそ、生姜、にんにくなど)
  • 香辛料を利用する(ごまや山椒、カレー粉、唐辛子など)
  • 香りや酸味を利用する(レモンやゆず、すだちなど)
  • 煮汁にかつお節でとった出汁を利用する。
「かける」より「つける」

醤油やソースは小皿に入れ、付けながら食べましょう。

練り製品、加工食品は避ける

竹輪、かまぼこ、ハム、ソーセージ、干物などには塩分が多く含まれています。摂取するのは避けましょう。

外食時の注意

自分で塩分調節ができるメニュー(単品より定食もの)を選びましょう。小袋タイプの減塩調味料を持ち歩くのも一つの方法です。

カリウム・リンの制限

カリウムは、人間のからだの中にも、多くの食べ物にも含まれている成分です。腎臓が悪くなると、余分なカリウムを尿中に捨てることができなくなるため高カリウム血症となり、危険な不整脈を起こす可能性があります。食事でカリウムをできるだけ少なくする工夫が必要です。  

また、血液中のリンが多くなると、関節や血管の石灰化や、心筋梗塞や脳梗塞などが起こりやすくなります。また、二次性副甲状腺機能亢進症という病気を起こすこともあります。リンはたんぱく質の代謝産物であり、必要量のたんぱく質をとろうとするとリンの値も高くなってしまうため、たんぱく価を低下させないように食品を置き換える工夫が必要です。

カリウム制限のポイント

カリウムの含有量の多い食品は、果物、豆類、芋類、海藻類、野菜、種実類です。これらのものをとる際には、摂取量に気を付けたり調理の仕方を工夫したりしましょう。

野菜の摂取は1日200g程度に

カリウムは水に溶ける性質があるので、野菜は水にさらすかゆでこぼしてから調理しましょう。それでもカリウムをすべて除去できるわけではありませんので、とりすぎに注意しましょう。

果物や芋類は1日50g程度に

果物の中でも特にカリウムの含有量が多いのは、バナナ、メロン、キウイです。摂取はできるだけ控えるようにしましょう。

缶詰のシロップは飲まない

缶詰のシロップの中にカリウムが溶け出しています。摂取はできるだけ控えるようにしましょう。

リン制限のポイント

リンはほとんどの食品に含まれますが、乳製品やインスタント食品、レバー、豆類、魚卵、加工食品、骨ごと食べる小魚などに多く含まれています。たんぱく質を必要以上に摂取しないようにするとともに、リン含有量の少ない食品を選ぶように心がけましょう。

インスタント食品を控える

特にたんぱく質の多い食品やインスタント食品に利用される食品添加物に多く含まれています。

低リン食品を利用する

低リンミルク、だしわりしょうゆ、タンパク調整食品など、一般市販品に比べてリン含量が3分の1~5分の1以下となるように調整されている食品があります。

たんぱく質の過剰摂取をさける

たんぱく質の摂取量が制限内であっても、リン含有量の多い食品やお菓子などをたくさんとればリンの摂取量は増えてしまいます。リン含有の多い食品をチェックしておきましょう。

適切なエネルギー・良質なたんぱく質をとる

透析患者様は貧血になりやすい傾向があります。食べ物を十分にとり、血が薄くなるのを防がなくてはなりません。ご飯、パン、砂糖、油などのからだに力を与える食べ物と、卵、肉、魚、大豆製品などの血の材料になるたんぱく質を適切にとり、エネルギーが不足しないように献立や調理方法を工夫しましょう。

また、栄養バランスに注意するのに加え、1日の食事のリズムや食品の種類にも気を配ることが必要です。以下のことを心がけましょう。

  • 1日3回規則正しく食べる
    朝食を抜いたり、夜食を習慣的に食べたりするのはやめましょう。
  • 偏食をしない
    好きなものばかりではなく、バランス良く食べましょう。
  • 主食・副食を組み合わせる
    トーストだけでなく、おかず類も食べましょう。
  • 副食はたんぱく質と野菜を必ず組み合わせる
  • 料理を幅広くつくり、多くの材料を使う
  • 食品の栄養的な特徴を覚え、食生活にとり入れる
  • 自分の1日の必要食品量を覚える
    食品は、決められた範囲内で摂取するようにしましょう。