【素人でも分かる】痩せないようにドライウエイトを管理するコツ

ドライウエイトとは?

ドライウエイト(Dry Weight)は直訳で「乾いた体重」であり、透析治療の際に使用される言葉です。ドライウエイトとは「体液量が適正で、透析中に過度の血圧低下を生ずることなく、かつ長期的にも心血管系への負担が少ない体重」と、2011年に日本透析医学会の『血液透析患者における心血管合併症の評価と治療に関するガイドライン』にて定義されています。簡単に言うと、①短期的には、透析治療中に大きな血圧低下などがない。②長期的には、心筋梗塞・脳梗塞などの心血管イベントが少なくなる目安として、ドライウエイトを定めているということになります。また、ドライウエイトは透析治療を行っていない間に増加した体重を、除水により除去するための目安となり、透析治療後の体重の目安となります。
ドライウエイトの設定が適正であるかどうかの評価は、日々の血圧の数値、むくみ・浮腫などの身体所見や、定期的に実施している「胸部レントゲン検査」による心胸比(心臓の大きさ)の結果など、複数の指標を用いて先生が総合的に判断しています。

透析治療を行う上でドライウエイトを設定する意味

人間の体の約60%は水分で、その他の固形成分が約40%です。腎臓の機能が正常である場合は、腎臓が余分な水分や塩分を体の外に排泄することで体液量(水分)が約60%、固形成分が約40%という良いバランスになるように調整しています。

しかし、透析治療中の患者さんは腎臓が上手く働かなくなっているため、飲水や塩分摂取で簡単に体液量が増加してしまいます。この状態を改善するためには、体内に貯留した水分を透析治療中に除水する必要があります。その際に「どれだけの水分を除去すれば良いのか」という明確な基準や目標値がなければ困ってしまいます。このように透析治療でどこまで除水を行うのかを決定する目標値として、ドライウエイトを設定します。