【透析栄養サポート通信】油を上手に活用しましょう

油を上手に活用し、必要なエネルギーをとりましょう!

皆さんは、ご自身の摂取するべきエネルギー量をきちんととれていますか?暑い時期になると食欲が低下し、摂取エネルギーの不足につながってしまいます。そこで、少量でも高エネルギーの油(脂肪酸)の種類と特徴について、管理栄養士がご紹介します。エネルギーが不足している方は、油を上手に活用しましょう。

摂取エネルギーの不足が続いてしまうと…

◇ たんぱく質が分解され、血液中の老廃物の増加
◇ 筋肉量の低下や体重減少
◇ 体力・免疫力の低下

油(脂肪酸)の種類と特徴

飽和脂肪酸

食品例:ラード、バター、ココナッツオイル
エネルギーとして使われやすく、体内で合成できる脂肪酸です。常温で固体のものが多く、動物性の油に多く含まれます。過剰摂取は、悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化などのリスクを高めますので、注意しましょう。

不飽和脂肪酸

●一価不飽和脂肪酸(n-9系脂肪酸)
食品例:オリーブ油、キャノーラ油、なたね油、こめ油
体内で合成できる脂肪酸です。動脈硬化や血栓予防、血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあります。加熱による影響が少なく、酸化しにくいので揚げ物や炒め物に適しています。

●多価不飽和脂肪酸(n-6系脂肪酸)
食品例:ゴマ油、紅花油、コーン油、大豆油
血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあります。しかし摂り過ぎると善玉コレステロールまで下げてしまいます。 ナムル、炒め物、揚げ物に適しています。

●多価不飽和脂肪酸(n-3系脂肪酸)
食品例:エゴマ油、アマニ油、青魚
血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす働きが期待出来るため、動脈硬化の予防に役立ちます。エゴマ油、アマニ油は熱に弱いため、サラダやマリネ、豆腐やパスタ等にかけての使用が適しています。

※n-3系、n-6系ともに、体内で合成することができない脂肪酸(必須脂肪酸)のため、食事から摂る必要があります。