【心胸比とは?】レントゲンを見て解説します!

今回のテーマは「心胸比」

皆さんこんにちは。今回のテーマは、皆さんのドライウェイト(透析治療終了時の体重)を決める指標の一つとなります「心胸比」についてお話しいたします。

心胸比とは?

一般的に「心胸比」と呼ばれていますが、正確には「心胸郭比」といいます。心臓と胸郭に関係しますが、先にあまり聞きなれない「胸郭」について、簡単にご説明します。胸郭は、胸椎、肋骨、胸骨からなり、心臓や肺などの臓器を支え、保護しています(左下図の○で囲んだ位置が胸郭です)

胸郭内には、肺や心臓がおさまっています。心胸比は略語でCTR(Cardio-Thoracic Ratio)と言われており、胸郭(肺の最大値)の最大額面に対する心臓の大きさを見ますが、これは皆さんが実施されている「レントゲン写真」から算出することができます。

望ましい心胸比とは?

心胸比(CTR)=
心臓の最大幅の部分(左の画像では黄線の部分)÷
胸郭内で最大幅になる部分(左の画像では水色線の部分)×100(%)

次は実際のレントゲン写真を見ながらご説明いたします。こちらは健康な方のレントゲン写真です。X線は、空気のように透過しやすいものほど黒く写り、鉛のように遮蔽されるものほど白く写る性質があります。肺は内容物が空気のため、透過しやすく、黒色に写っています。
先ほどの図では、心臓や肺の前面に肋骨があるように見えますが、前面はレントゲン写真に写らない「肋軟骨」というもので覆われています。透析治療中の患者さんで、心疾患などがない場合の心胸比は、50%以下であることが望ましいといわれています。