【心胸比とは?】レントゲンを見て解説します!

心胸比とドライウエイトの関係

こちらのレントゲン写真はどうでしょうか。先ほどのレントゲン写真よりも、明らかに心臓が大きく見えます。なぜ心臓が大きくなるのかと言いますと、身体の水分量が過剰に増え、それが心臓に流入するためです。このような状態になると「浮腫・高血圧・息切れ」などの症状を合併することが多く、ドライウェイト(以下DW)の調整が必要となります。

また、体型に変化があった際も心胸比の確認を行います。DWがきつくなってくる(太ってくる)と、以前の循環血液量では足りなくなり、透析治療中に「血圧低下」や「足がつる」ことがあります。この場合の心胸比は小さくなり、DWを上げることが必要となります。逆に、あまり食事が食べられず痩せてしまった場合、以前のDWでは循環血液量が過剰となり、「血圧上昇」や「浮腫」が出現します。この場合の心胸比は大きくなり、DWを下げ、適正な循環血液量に補正する必要があります。

レントゲン撮影の際の注意点

レントゲンを撮影する際に「息を吸って、止めてください!」と言われますが、これは大きく息を吸わないと、
①肺が小さく写ってしまう 
②胸郭の広がりが不十分となってしまう 
③結果として心胸比が大きいと判断されてしまいます。

つまり、心胸比を正確に測定できなくなってしまうのです。レントゲン撮影時には大きく息を吸っていただき、正確な心胸比の測定にご協力いただけると幸いです。今回のお話はここまでとなります。
次回の技士通信もお楽しみに!

※参考記事
【2022年度版】臨床工学技士指南|透析 シャントの維持方法