【2022年度版】臨床工学技士指南|透析 シャントの維持方法

はじめに

私たち臨床工学技士は、透析装置を管理する事が大きな役割の一つですが、皆さんのシャントの管理についても、積極的に関わっていきたいと考えています。
そこで、透析室でシャントトラブルや穿刺トラブルがあった時に、超音波(エコー)装置を使って、迅速にその原因を発見し、対応して行きたいと考えています。
現状はまだ一部の施設ですが、今後全施設で開始したいと考えております。今回お伝えする内容は、透析治療で毎回必ず行う穿刺や止血における、シャントへの影響と大事なポイントをお伝えしたいと思います。

穿刺について


皆さんは、透析で年間に何本針を刺されているかお考えになった事はありますか?透析1回につき2本、それが週3回、年間52週で計算すると、最低でも合計312本になります!それだけの針を刺すことで、シャント血管に一体どのような影響を与えるのでしょうか?

①シャントの血管が狭くなりやすい
穿刺による瘤は、血管の壁が少しずつ弱く、薄くなることで血管壁が盛り上がってしまう「真性瘤(しんせいりゅう)」と、一度血管から出血して、その周りにある細胞組織の薄い膜で盛り上がってしまう「仮性瘤(かせいりゅう)」の2種類があります。瘤の増大に伴い、皮膚が薄くなり光沢を帯びてくると破裂の危険性もあります。