【2021最新版!】臨床工学技士が解説!拡散・浸透・限外ろ過とは?
2021 / 12 / 27 技士通信
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透析治療の原理
皆様に馴染みのあるもので例えますと、【お漬物】の作成に拡散と浸透が関わっています。
限外ろ過とは、ご自分でぬか漬けを作ったことのある方は経験あるかもしれませんが、ぬかの中に新鮮な野菜を入れ、ぬか漬けが出来る頃には、水分が抜け・味が染みていますよね?
水が抜けるのは【浸透】が起きて、ぬかに野菜の水分が移動しているからで味が染み込むのは【拡散】が起きて、ぬかの成分が野菜に移動しているからなのです。
透析の原理と聞くと難しそうなお話ですが、意外と皆様の身近な所にも透析の原理は使われているのです。
拡散とは
水溶液中の物質は、濃度の濃い方から薄い方へ移動し、均一な濃度になろうとする性質があります。この現象を拡散といい、透析はこの性質を利用しています。
血液と透析液が透析膜を隔てて接触すると、透析膜には非常に小さな孔があいているため、リンやカリウムなどの分子量の小さな物質は濃度の濃い方から薄い方へ透析膜を通って移動し、濃度が等しくなるようになります。
治療に最適な濃度に調整された透析液を流すことで、血液中の老廃物を除去し、必要な物質を補います。
浸透とは
濃度の異なる溶液間で、溶質が拡散の動きで移動しているとき、溶媒である水は溶質濃度が均一になるように移動していきます。
つまり、濃度の薄い溶液から濃度の濃い溶液に水が移動していきます。この現象を浸透と言います。