透析の歴史|誕生から現在までを振り返る
2020 / 10 / 05 技士通信
目次
はじめに
10月に入り、いよいよ秋めいてまいりました。朝晩はめっきり肌寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?さて、厚済会は2020年で40周年を迎えました。そこで、今回の臨床工学技士通信では「透析の歴史 1854年~」について皆様にご紹介致します!
ちなみに…
我々、臨床工学技士の歴史は1987年に始まりました。今後益々増大する医療機器の安全確保と有効性維持のため、医用と工学の知識を兼ね備えた専門の医療技術者です
透析の歴史 1854~1956年
1854 透析の原理を発見
透析 ( Dialysis ) =ギリシャ語源で“分離”の意。トーマス・グラハムが分離の技術を応用して医学分野に活用できるのではないか?と推論。
1914 動物を用いた世界初の血液透析実施
透析という言葉が誕生して60年、セロファンに類似したチューブを人工腎臓として、動物を用いた最初の体外循環血液透析が実施されました。
★1913年-1937年頃の課題となった抗凝固剤★
現在では抗凝固剤としてヘパリンが使用されていますが、当時はヒルの浸軟から抽出したヒルジンを使用していました。当時はヒルジンを清浄化する技術がなく、アレルギーなどの副作用が多く引き起こされました。
1926 世界初、人体への透析治療の実施
透析という言葉が誕生して60年、セロファンに類似したチューブを人工腎臓として、動物を用いた最初の体外循環血液透析が実施されました。
ドイツで初めて、急性腎不全患者に対して透析治療が試みられました。
★1926年‐1945年の透析効率の変化★
1926年当時、24時間の治療で2ℊ未満の尿素しか除去できませんでしたが、1945年には6時間で35ℊまで尿素を除去出来るようになりました。
1945 世界初、急性腎不全患者の救命に成功
オランダで閉塞性急性腎不全患者の治療が成功し、完治しました。
1947 除水のできるダイアライザ誕生
オランダで閉塞性急性腎不全患者の治療が成功し、完治しました。
世界で初めて、除水が可能なダイアライザが発明されました。今日のダイアライザーの原型というよりは、今日の患者監視装置内の除水コントロールシステムの原型となっております。
1954 日本国内で透析装置の開発・研究が開始
1956 日本初、急性腎不全患者の救命に成功