脂質異常症(高脂血症)について
脂質異常症(高脂血症)とは、血液中に溶けている脂質(コレステロール、リン脂質、中性脂肪、遊離脂肪酸など)が異常に多い状態を言います。血液の粘り気が増し、血管の内壁に脂質が付いて動脈の壁が厚く硬くなり、動脈硬化を引き起こします。そのまま放置すると狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起すため、適切な対処や治療が必要です。
脂質異常症の原因
脂質異常症の原因は、遺伝的な素因のほかに、過食、高脂肪食、運動不足などの生活習慣や、それによる肥満があげられます。食事にからんだ要因がもっとも多いので、食生活を適正に保つことが重要です。
自覚症状がないので放置されがちですが、心筋梗塞、脳梗塞の他には高血圧や腎臓病の原因になったり、悪化させたりすることもあります。定期的に健康診断を受け、チェックすることが大切です。
脂質異常症(高脂血症)にならないために(予防)
脂質異常症(高脂血症)にならないためには、日頃からの生活習慣の積み重ねが大事です。以下の注意点に気を付けていきましょう。
食事の注意点
- 1日3食きちんと摂る
- 脂っこいものを控える
- 就寝前に物を食べない
- 間食は控える
- 塩分を控えめにする
- いつも腹七分目の食事を心がける
生活の注意点
- 禁煙
- 脂っこいものを控える
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためない(好きな事をしたり、軽い運動をしたりする)
- 定期的な健康診断を受ける
脂質異常症(高脂血症)になってしまったら(治療)
食事療法
- 中性脂肪を増やす原因となる、糖質やアルコールを控えましょう。
- コレステロールの多い食品を控えましょう(肝やレバー類、鶏卵、鰻、ショートケーキ、イカの刺身、いくらなどの卵類など)。
- 植物繊維の多い食品を多くとりましょう(穀類・豆類・野菜類・芋類やキノコ類・海藻類・果物など)。食物繊維にはコレステロールの吸収を抑える効果があります。
- からだの酸化を防ぐ効果のあるビタミンA・C・Eを多くとりましょう。
- 大豆製品や青魚を多くとりましょう。コレステロールや中性脂肪を低下させる作用があります。
運動療法
運動を続けていくと、余分なコレステロールを肝臓に運ぶ善玉コレステロール(HDLコレステロール)が増え、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が減るという効果もあります。ハードな運動をする必要はありません。酸素をたくさん消費しながら行う有酸素運動が効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど、年齢や体力に合わせ、楽しく長く続けられる運動を選びましょう。また、筋力トレーニングなどにより筋肉を増やすことで代謝が良くなります。無理のない範囲でとり入れましょう。からだを動かすことを楽しんで、だんだん運動を習慣にしていきましょう。