診療技術部

検査技術科

一人ひとりがプロである自覚を持ち、信頼されるデータを常に提供できる集団を目指します

基本方針

  • 法人理念「仁・愛・知・技」を基盤とし、患者さんの気持ちに寄り添った言動を厳守する。
  • 検査技師一人ひとりがプロである自覚を持ち、信頼されるデータを常に提供できる集団となる。
  • PDCL活動を通じ、業務効率向上やコストダウンに取り組む。
  • 現状に満足することなく、常に改善・改革の意識を持ち、効率化・職域拡大を行う。

所属人数と男女比
所属人数は6名です。内訳は、常勤が5名、非常勤2名となっています。また男女比は、男性2名、女性4名であり、女性の方が多くなっています。

特徴や独自性
当法人の特徴は、検査技師が複数の施設を移動し、組織横断的に超音波検査を行うことです。
多くの施設では、自身が所属する施設でのみ検査を行いますが、厚済会では、5つの施設を検査技師が毎日移動し、超音波検査を行います。

業務効率を上げることを目的に、超音波診断装置のみならず、所見用紙や報告形式、エコーゼリーなど、多くの項目を全施設で統一しており、効率的に業務を行える体制を整えています。
全施設を移動しますので、より多くの患者さんや職員と接する機会を持てるということも、大きな特徴かもしれません。

また、「検査技術の向上」や「スキルの均一化」に関する施策も特徴的と言えます。三次救急を有する湘南鎌倉総合病院と研修協定を締結し、厚済会に所属する全ての検査技師が超音波研修を受講することで、総合病院と同等のスキルを持つ検査技師を育成するのみならず、全スタッフが同じ能力となるよう、計画的に研修を進めています。

部署として注力していること

  • 検査技術の向上と医療知識の拡充
  • 検査スキルの均一化
  • 常に患者さんの気持ちに寄り添った言動を行う。
  • 少しでも患者様の負担を減らせるよう、検査スピードの向上。
部署長

チーム医療の一員として、患者さんの気持ちに寄り添った丁寧な検査を心がけています。

私は、約10年間総合病院で働いた経験を活かして地域医療に貢献したいと思い、理念に共感した厚済会へ入職いたしました。入職後は超音波検査を中心に、チーム医療を意識しながら業務に取り組んでいます。また、患者さんからはコミュニケーションを通して、様々なことを学ばせて頂いています。
正確で丁寧な検査ができるように日々研鑚し、個々の知識や技術のスキルアップのみならず、検査科全体のレベルアップに貢献できるよう、引き続き推進してまいります。


検査技術科 主任
今坂 麻美
業務内容

超音波検査:超音波検査とは、身体にプローブ(探触子)という超音波を出す機械を当て、体内の臓器から跳ね返ってくる超音波を映像化したものです。超音波は「音」であり、体に害を与えずに検査を行えます。厚済会で行われている超音波の種類には「シャント」、「腹部」、「心臓」、「頸動脈」、「甲状腺」、「下肢動脈・静脈」などがあります。

【シャントエコーでわかること】

  • シャントを含む血管の走行(穿刺者が穿刺をスムーズに進めるためのサポートを行います。)
  • シャント内の状態(狭窄や血栓、瘤などがないか確認を行います。)
    ※シャントに狭窄があった場合、血管の内側から血管内を広げる手術を行う必要があります。
  • シャントの血流量(透析治療に必要な血流量があるか調べます。)

【腹部エコーでわかること】

  • 腎臓の「がん」の有無(定期的に検査を行い、「がん」ができていないか確認します。)
  • 腎臓以外の臓器に対する異常の有無(腹部全体の検査を行い、様々な病気を早期に発見することで、治療や予防に役立てています。)

【心臓エコーでわかること】

  • 心臓の大きさ、壁の厚さ、心臓の動き
  • 弁膜症の有無(心臓にある4つの弁が狭くなっていないか。)
  • その他(心臓の周りに水が溜まっていないか等)
    ※体の水分量を管理するため、心エコーでも水分量を確認し、標準体重(ドライウェイト)の管理も行います。

【頸動脈エコーでわかること】

  • 脳梗塞の原因となるプラークや狭窄の有無。
    ※動脈硬化は、脳、心臓、腎臓など、様々な臓器に循環障害を起こす原因となります。頸動脈を観察することで脳梗塞を予防しています。

【甲状腺エコーでわかること】

  • 甲状腺や副甲状腺の大きさ。
  • 腫瘍病変の位置や大きさ、性状など。
  • 周囲のリンパ節腫大や転移の有無。
    ※慢性腎不全による副甲状腺の過剰な働きを観察し、がんや 腫瘍などの異常を見つけ、早期治療に役立てます。

【下肢動脈エコーでわかること】

  • 血管内の狭窄や閉塞の有無。
    ※足の血管の動脈硬化が進むと「閉塞性動脈硬化症」を引き起こす可能性があり、閉塞性動脈硬化症をそのまま放置しておくと、「足の傷が治りにくくなる」、「少し歩いただけで足が痛くなる」などの症状が出ます。また最悪の場合、下肢を切断しなくてはならないこともあります。しかし、これらは早期に病変を発見し、正しく対処を行うことで、リスクを回避することが可能です。
  • 足の静脈内における血栓の有無(足がむくみ、痛みがある場合に血栓などがないか)を確認します。
    ※足の静脈に血栓ができてしまうことを「深部静脈血栓症」といい、その血栓が、何かの拍子ではがれた際、血流に乗って肺に達することがあります。肺の血管に血栓が詰まると、「肺血栓塞栓症」を発症してしまいます。
    ※主な業務内容は超音波検査ですが、他にも採血、眼底検査、聴力検査なども実施しています。
チーム医療への参加

上大岡運営会議、経営品質ミーティング、医療安全委員会、院内感染対策委員会、安全衛生委員会、ありがとうカード委員会(ACP)、ヨクスル(患者満足向上委員会)、外来ミーティングALSミーティング、診療技術部会議、VAミーティング

資格名と取得人数

〇血管診療技師(CVT):1名
〇呼吸生理学二級臨床検査士:1名
〇超音波検査士:1名

学会発表

〇第64回日本透析医学会学術集会・総会 
「VA管理における再循環率測定の活用~VAエコーの結果との相関検証~」 阿部 雅弘

〇第69回日本透析医学会学術集会・総会 
「透析患者におけるABIと下肢血流量の関連」 今坂 麻美