コロナ禍での精神的ケア

はじめに



医療法人社団 厚済会
横浜じんせい病院 院長
山口 聡 先生

昨年末に武漢市から発生した新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に全世界に拡散し猛威をふるいました。その規模とスピードは、人類史においても経験のないものであり、各国が全力で封じ込めにあたりましたが、未だ収束していない状況です。
半年以上も出口が見えない状況のなかに置かれ、透析治療中の患者さんにおいて「心」の健康を害される方が増えてくることが危惧されます。

患者さんは免疫力が低下しており、感染症にかかりやすく、かつ重症化しやすいため、人一倍の注意が必要です。日頃よりかなりのストレスがかかっている中、コロナ対策により更なるストレスが加わり、「心」の健康が乱れ、不安や不眠、体調不良に悩まされる恐れがあります。

厚済会で行っているメンタルケア

スタッフ一同、患者さんの変化には常に注意しています。体の変化はもちろん心の変化もなるべく早く見つけられるように、声かけは常に行っています。特に、表情や話し方に違和感がないか、会話の内容に「心」のSOSが潜んでいないか、食を始め日常生活の乱れがないかを、見極めようと努めています。もし、これらに当てはまるような場合、患者さんに関わる方(家族やケアマネージャーさんなど)とスタッフ一同で話し合いし、最適な解決法を探っていきます。

患者さんそれぞれに事情があり、直ちに解決できないケースもありますが、努力は続けるように心がけています。医師はチームのリーダーとしてケアにあたり、「心」の専門医の紹介が適切か、抗不安薬や向精神薬の処方が必要かを判断し、病状の悪化を防ぐようにしています。